距離241km、溶けるワンルーム









どんなお話?
『距離241km、溶けるワンルーム』はサークル:THE猥談がリリースするTL同人漫画です。
口数が少なくて、表情もあんまり動かない年下の幼なじみ。そんな彼が、遠くにいる彼女の誕生日のためだけに、3ヶ月ぶりに会いに来てくれる。この落差だけでもう胸がいっぱいです。夢を追って地元を出た朋夏と、残って待つ年下彼氏のまーくん。自分で選んだ道なのに、心はすり減っていく毎日。会えない時間も長くて、読み始めからじわじわ効いてきます。
いちごが一番きたのは、まーくんの受け止め方でした。弱音をこぼしかけた朋夏を後ろからぎゅっと抱きしめて、頑張ってきた姿をずっと見てきたから「一緒にいられて嬉しい」と伝える場面。励ますでも諭すでもなく、ただ肯定してくれるんですよね。あの言葉、自信をなくした心にそのまま入ってきます。ずるい。二人が気持ちをまっすぐ伝えるときだけ名前で呼び合うのも、気づいた瞬間にきゅっとなりました。
えっちな場面は、引っ越し前と再会後の二度あります。上京前は、離れたくない気持ちが指先や視線ににじんでいて、甘いのにどこか切ない空気。再会後は、普段ぜんぜん本音を見せないまーくんが、余裕をなくしながら寂しさをこぼしていきます。彼もずっと241km先で我慢してたんだなあ、と思ったらじんわり温かくなりました。体格差のある密着した触れ合いや、会えなかった時間を埋めるような熱のこもった甘い夜も、しっかり読みごたえがあります。
遠距離の苦しさを知っていたら、きっと誰かの顔が浮かびます。読み終わって、自分にも「そのままでいい」と言ってくれる人がいたらなあ、なんてぼんやり考えてしまいました。
こんな人におすすめ
- ふだんは無口な年下彼氏が、会えない時間の分だけ真っ直ぐに愛情をぶつけてくる展開に弱い人
- 仕事や新生活で心が疲れたときに、大好きな人にそっと肯定されるお話で泣きたい人
- 幼なじみから恋人になった二人の、長い時間を積み重ねた距離感にときめきたい人
- 再会後に余裕をなくしていく彼の本音を聞きながら、密着したまま甘く求め合う場面が好きな人
- 悪者のいない、お互いを思い合うだけの優しい遠距離恋愛ものを読みたい人
管理人のひとこと
いちご年下の幼なじみが静かに溺愛してくれる話、本当に弱いんです。しかも押しの強いタイプじゃなくて、口数は少ないのに、行動でぜんぶ伝えてくる人。そういうのにめっぽう弱いいちごには、かなり深く刺さりました。
95ページとボリュームはしっかりめ。それでも日常パートとえっちパートの切り替えが自然で、読んでいて重たくならないんですよね。ネコピ・ザ・キャット先生の絵がまた良くて、表情が控えめな人の目や口元のちょっとした変化で気持ちを見せてくれるので、台詞が少ない場面ほど空気がちゃんと伝わってきます。体のラインのやわらかさも、体格差の描き方も丁寧。色気はあるのに下品にはならなくて、甘さの加減がちょうどよかったです。
派手な事件が起きる話ではないので、地味に感じる人もいるかもしれません。刺激強めのえっちを求めていると、ちょっと物足りないかも。でも、遠距離や慣れない土地での心細さを少しでも知っているなら、ふとした場面で自分の記憶と重なって、じわっときます。ここ、地味に効きました。読み返すたびに、まーくんの優しさの見え方が変わりそうな一冊です。
作品データ
- サークル
- THE猥談
- 作者
- ネコピ・ザ・キャット
- ページ数
- 本編95P
- 価格
- 990円
- 配信日
- 2026年10月14日